物性物理(理論)を専攻するってどういう事

物性理論を専門とする人が考えた事について

理論物理専攻の大学院生の生活

自分で言うのも何ですが、とても謎ですよね。大学院生の生活なんて何をしているのか想像つかないと言うのが一般的な印象だと思います。ここでは理論系の大学院生を想定して(当然モデルは僕自身です)書いていきます。

まず、何が生活の軸になるかと言うと何はともあれ研究です。そもそも研究テーマを決める所に結構時間をかける場合もあります。研究のスタイルもまちまちだと思いますが基本的には紙とペンとコンピュータではないでしょうか。だから朝早く研究室に来てコンピュータをいじっていたり論文を読んでいたり紙に何か計算をしたりホワイトボードの前で議論をしたり、と言うことをしながら時間がすぎていきます。また、大学院でも授業はあるのでその時は学部の学生と同じように講義に出て勉強してレポートを出したりして、と言ったことをします。

これで全てなのです。これを聞いて「楽しそうだ」「魅力的だ」と思うかそれとも「大変そうだ」「楽しくなさそう」と思うかは人それぞれです。どちらが正しいと言うわけでもありません。ただ、当の本人たちは少なからず何かしら惹かれるものがあってこの道に進んでいます。それだけ物理学は人を惹きつける魅力を内在的に持っています。

したがって大学院生の(主に僕の)1日は基本的に「研究」「講義」になります。時々セミナーと言って誰か講演者がいて1時間程度の発表をしてもらい、その分野について概観を知ると言う催しもあったりして、結構そういう機会はあります。物性物理と一言に言ってもあまりに多くの分野がありすぎるので全ての分野の知識を収集し続けることは難しいので、こう言う機会を設けて概観だけでも知っておこう、ということだと思っています。

また研究室によっては進捗を報告しあったり、研究内容について発表したり、と言う会が定期的に開かれる場合もあります。そうした場合は、研究に加えてそれを他人に伝えるためのスライドや資料づくりも日々の課題の一つとなります。同じ研究室にいるのだから、仲間内で発表するの?と疑問に思う人がいるかもしれませんが、理論の研究室の場合、個人個人でテーマが大きく違うことがあります。例えば物性物理という大枠は一緒でも、先ほど言ったようにそれに含まれる分野はあまりに多いので隣の机に座ってる同期が何をどう研究しているのかよくわからない、なんて事もあるかもしれません。(流石に重要なキーワード程度は知るとは思いますが。)ですから、同じ研究室内での発表会であっても結構新鮮だったりします。

少し話は逸れましたが、院生の位置にちを大雑把に書いてみました。どうでしょう、イメージはできたでしょうか?もう少し詳細な1日のスケジュールを知りたいと思うかもしれません。それから「バイトはしてるの?」「生活費はどうするの?」「大学院の勉強って学部の時とどう違うの?」などなど、きっと(興味のある人は)聞きたいことがたくさんあると思います。と言うのも実際に僕自身がこれらのことが気になっていたからです。こうしたことにも後々答えていきたいと思います。